企業側の視点から見る「新卒採用」とは一体何か
今回は視点を変え、企業にとっての「新卒採用」を見ていきたいと思います。
その前に、ZOZOでお馴染みスタートトゥデイの前澤社長のTwitter投稿から。
ZOZOの採用面接に合格するコツ。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) October 21, 2018
・企業理念が大好き
・ZOZOTOWNが大好き
・人事部の皆さんが大好き
・社長も大好き
・どんな部署でも仕事でも頑張る
これらを満面の笑顔で伝えればたぶん受かります。面接まで来てくれたなら、なるべく多くの皆さんに合格してもらいたいのでコツを伝授します👍
多方面で目立っている社長ではありますが、このツイートに就活における企業側の本音がちらほら隠れていると思いました。
それでは、今回は次の観点から企業の本音を考えていきましょう。
新卒採用は即戦力を求める訳ではない
中途採用と新卒採用
企業にとっての採用は大きく「中途採用」と「新卒採用」に分かれています。
中途採用と新卒採用。それぞれどのような人材を求めるのでしょうか。
エン転職の記事を紹介させていただきます。
<中途採用の特徴>
・不定期採用(一部、年間を通じて採用する企業もある)。
・社会人としての実績とスキルが求められる。
・すぐに取り組んでもらいたい業務がある。
・社会人としてのマナーや業務の専門知識は有しているものとして迎えられる。<新卒採用の特徴>
・一般的に、1年に1度の定期採用。
・将来的な活躍に期待している。
・業務の専門知識はもちろん、社会人としてのマナーからしっかり学ぶことができる。
つまりまとめますと、
- 中途採用=即戦力を求める
- 新卒採用=将来に渡る戦力を求める(即戦力は求めない)
ということがわかります。
新卒採用ではその人の「考え方」を問う
実際に私が新卒採用立ち上げのプロジェクトに入っていた際にも、
- 中途採用=すぐに会社の稼ぎに繋がる人材
- 新卒採用=企業文化を継承できる人材
を採用するという大きなテーマとしてありました。
そのため新卒採用を行う際には、
会社の文化・ビジョンとは何か棚卸しを行い共通理解を深めた上で、企業文化の継承に向けてどのような人材を確保するべきなのかの話し合いが行われました。
ここらへんの詳細は以下の記事で少し触れていますので、参考にしてください。
新卒採用には膨大なお金が掛かる
採用そのものに関わる費用
新卒採用には膨大なコストが掛かります。
少し前の記事になりますが、東洋経済オンラインの記事を紹介させていただきます。
2015年卒生の入社予定者1人当たり採用費の平均は45.5万円。過去のデータを見ても、おおむね50万円前後で推移している。
この数字に対してある人事担当者は「もう少し費用がかかる印象があるが、全体平均ならこの程度かもしれない」と語る。採用コンサルタントの谷出正直氏も「1人当たり採用費は50万~60万円程度が平均相場」と指摘する。
以前私が勤めていたベンチャーでは、成果報酬型の新卒採用を行っていましたが、もう少し費用が掛かっているイメージです。
成果報酬型では、70万~100万前後が多い印象を受けます。
入社後戦力になるまでのコスト
そして新卒採用のコストはこれで終わりではありません。
先ほど新卒は即戦力を求めていないとお話しました。そのため、新入社員を「戦力」に育てる必要があります。
そのコストがexciteニュースのコラムで取り上げられていますのでご紹介。
入社後3年ほどは「戦力として期待しない教育期間」となることが多いです。入社後3年間の給料が約1,000万円、法定福利費や育成のためにかかる費用が300万円以上になるとすれば、一人の社員が戦力になるまでに、1,500万円弱のお金が必要になることになります。
つまり、企業はこれだけの「投資」を覚悟して、就活生の皆さんを会社に迎え入れるんですね。
新入社員にすぐ会社を辞めてほしくない
企業としては、膨大なコストの「投資」をして皆さんを迎え入れるのです。
そして企業としては、この「投資」に見合うリターンを皆さんからほしいというのが本音なのです。
つまり、新入社員に数年で辞めてほしくない。
それが冒頭紹介した前澤社長の言葉の裏にある意味だと考えます。
つまり「企業理念が好きで」「会社が好きで」「人事=会社で働く人間の窓口が好きで」「社長=会社の顔が好きで」「何でも頑張ります」という人。
ある意味全ての企業がこのような学生を求めているのです。
さて、今回は企業側の視点から「新卒採用」を見てきましたが、いかがでしたか。
企業側の視点に立つことで、企業がどんな人材をほしいかわかりましたでしょうか?
企業がなぜ志望理由を聞くのかその理由もわかりましたか?
ぜひ少しでも就活への心構えを変えていただけたら嬉しいです。