【就活の成否は「準備段階」で決まる?】就活を《大学受験》で例えてみるとその理由がわかる
よく就活をしている学生に見られる勘違いが、「自己PRを綺麗に書くこと」や「面接でしっかり暗記した文章を言えること」が就活の要点となっており、それをやっておけば就活がうまくいくと思っていることです。
しかし就活というのは、そういう表面上のことではなく、もっと深い表には見えにくい部分が大切だと私は思います。
その表に見えにくい部分とは、「自分は何がやりたいのか」「世の中にはどういうビジネスがあるのか」といった【準備】の部分です。
ではなぜそのような「準備」の段階が大切になるのでしょうか。
今回は、「大学受験」を例にご説明したいと思います。
大学受験の成否を決めるポイントとは何だったか
まず皆さんの「大学受験」を振り返った時、成功した人・失敗した人それぞれいらっしゃるかと思いますが、その成否を決めたポイントとは何だったでしょうか?
試験に熱を出して本領発揮できなかった
試験前のラストスパートを失敗してしまった
という理由で失敗してしまった人も当然いるとは思いますが、多くの人は、
普段から勉強にしっかり取り組めたか
その大学に合わせた勉強の時間を取れたか
という、「日々の過ごし方」と「目的に合わせた対応」の2点を挙げるのではないでしょうか。
就職活動は大学受験と似ている?
就活というのは、実は大学受験と似ているように思います。
大学受験はそもそも、
自分のやりたいこと
大学で学びたいこと
ということを考えた上で、
自分のやりたいことをできる大学
自分が入れそうな偏差値の大学
から志望校を選び、受験というステップです。
自分のやりたいことというのは、例えば
高校の物理の授業が面白く、その方面について大学で勉強したいと思った。
ということです。
これはよくよく考えてみると、就職活動の自己分析と似ていませんか?
自分の過去(これまで)があり、未来(これから)をどうしたいのか。
それは就職活動で言えば「自己分析」にあたるポイントです。
偏差値をいきなり上げる方法は限られている
この「自己分析」ポイントのあとは、自分の志望校を絞っていく段階になります。
しかしここで問題となるのが「偏差値」の壁。
志望校では、
XXの分野でA大学は有名だけど…入れなさそう
という現実に直面することもあります。
しかしこの偏差値をあげようと、高校1年生の春から日々頑張った場合と、高校3年生から受験に向けて頑張った場合、どちらのほうが偏差値が上がる可能性が高いでしょう?
当然のことながら、長い時間掛けて、勉強の習慣を作り、頑丈な基礎を作る時間のある前者のほうが偏差値が上がる可能性が高いです。
この点も就職活動において同じことが言えるのではないでしょうか。
どれだけ早い段階でその企業に行くことを想定しながら、大学生として様々な挑戦をしていって、自分のレベルを上げる必要があるのではないでしょうか?
受験直前の勉強だけ頑張ってもダメ
受験が近くなって、焦りだして勉強してもいい結果が出ません。
就職活動でも同様に、大学3年生になって自己PRやエントリーシートを書こうと思っても、表面的な部分は技巧でなんとかなりますが、本質的な部分・基礎となる部分を伸ばす時間はすでにありません。
「A大学向けの受験勉強」「B大学向けの受験勉強」と試験対策だけをしていても基礎学力がなければ良い結果が出ないように、就活もその人の基礎的な「人間力」がなければ、どんだけ個別の企業向けに文章を作っても上手くいきません。
一方言い換えれば、基礎的な「人間力」があれば、ちょっとのチューニングで特定の企業向けの文章を作ることができると言えます。
つまり就職活動は、早いうちから自分のやりたい方向性を考え、基礎的な「人間力」を鍛える必要があります。
ぜひ表面的な細部に惑わされることなく、就職活動である「本質」を捉え、自分磨きをしてほしいと思います。
「基礎的な人間力って何?」と思った方への参考記事↓↓
「基礎的な人間力」の作り方↓↓
自分の「ワクワク」を探すことが自己分析を成功させるコツ
先日、就活コンサルの一環で定期的に面談をしている学生とのやり取りで、こんなセリフを言われました。
「なんかワクワクしてきました!」
21卒の学生なのですが、その言葉を聞き就活は上手くいきそうだと確信しました。
将来を考える際に、この「ワクワクしてきました」というセリフは非常に重要です。
「ワクワク」という感情は非常にプラスに働く感情で、就職活動を成功させている学生の根底的な部分で共通している感情なのです。
自分の「ワクワク」を探すことが自己分析を成功させるためのコツなんです。
今回はそのワクワクがなぜ必要なのか、どう探せばよいのか、一緒に見ていきましょう。
- その学生はなぜ「ワクワク」できたのか
- 日々「アンテナを張る」と必要な情報が引っ掛かりやすくなる
- 「就活は自分事である」という心構えがアンテナを広げる第一歩
- 人はやりたくないことは頑張れないが目標があれば頑張れる
その学生はなぜ「ワクワク」できたのか
その「ワクワクしてきました」と言った学生は、これまでこのような悩みを持っていました。
- 将来は田舎に帰り独立したい
- 留学で学んでいる語学を活かせるかわからない
それに対し
- これから地方にも外国人は旅行する
- 語学を活かせる方向で頑張っていけば、何かチャンスがあった時に活かせるかもしれない
ということ話をして、今後の留学生活の目標を一緒に考えつつ前回の面談を終えました。
今回、その面談を終えしばらくして、この記事を見つけ学生にシェアしました。
ちょうど学生も、留学先の外国人と話している中で、日本の地方へ旅行に行く学生が多いという情報も聞いたそうで。
そこで冒頭の「なんかワクワクしてきました」というセリフに繋がったのです。
日々「アンテナを張る」と必要な情報が引っ掛かりやすくなる
ここで大事になるのは、学生が積極的に「アンテナを張る」という行為をしていたことです。
例えば私の面談を通して、「自分が将来どういうことをやりたいか」という考えを整理しました。
その中で「地元に戻り独立したい」「けど語学をどう活かせるか結びつかない」という「やりたいこと」と「できること」にギャップを見つけていたこと。
また、留学先の友人との話の中で、自分の将来に関係しそうな話題を出したりしたこと。
この2点があって、そのアンテナを広げていたからこそ、ニュースと友人の話が自分の将来と繋がり「ワクワクした」のです。
「就活は自分事である」という心構えがアンテナを広げる第一歩
この学生が「ワクワク」した理由は、自分の将来が明確に見えたからです。
アンテナを広げ明確に見える情報を入手したから、自分のするべきことがイメージできたのです。
このアンテナを広げるという行為が就職活動においては一番大切なことだと思います。
そしてアンテナを広げるために必要なこと。
それは自分から情報を取りに行く「心構え」なのです。
全く具体的なアドバイスではありませんが、就活は答えがないといっている理由も、自分で動かなければいけないと言っている理由も、全ては「心構え」に帰着するからなのです。
「自分の将来に関することなんだ」という当事者意識を持てるかどうかが、必要な情報に反応できるかということに繋がるのです。
人はやりたくないことは頑張れないが目標があれば頑張れる
人は誰でもそうですが、やりたくないことは頑張れません。
でも辛いことでも大変なことでも、その先に成し遂げたい目標があれば頑張れます。
「ワクワクを探す」ということは、すなわち自分の将来をできるだけ明確にイメージし、それが実現できた時の自分の姿を想像することなのです。
ここで今まで就活の本質でお伝えしている内容、すなわち就職活動は自分のキャリアを考える上での第一歩である、ということに繋がってきます。
- 自分が将来何をやりたいのか。
- どういう姿になっていればワクワクするのか。
それを探すことが、自己分析、ひいては就活全体を成功させるためのコツと言っても過言ではありません。
【業界研究】たくさんの会社と関わりたい!あなたの人間力を活かせる「商社のススメ」
商社とは「企業と企業の間に入り仲介することで利益を得る企業」です。
特に海外に留学をしている日本人学生に人気の業界でもありますが、「周りの社会人が商社マンが多いから」という短絡的な理由で志望をしていませんか?
商社にとっても確かに留学経験のある学生は重宝されますが、
それは決してあなたの語学力に期待している訳ではありません。
では、商社は日本人留学生に何を求めるのでしょうか?
業界研究を進めながら、その答えを探していきたいと思います。
商社の主な役割は「仲介=トレーディング事業」である
商社の役割は、企業と企業間の仲介、すなわちトレーディングです。企業と企業の間を取り持つことにより手数料を得ることをビジネスモデルとしています。
ではどうして仲介をする必要があるのでしょうか?
留学生にも恐らく身近であろう「【日本最大級の旅行サイト】楽天トラベル」を例に、説明しましょう。
商社の役割を「楽天トラベル」を例で説明してみる
この「楽天トラベル」=「商社」だと思ってください。
私たちユーザーは「どこかに旅行に行こうかな~」と思った際にサイトにアクセスします。たくさんある宿・ホテルの中から、場所や予算などで条件を絞り、実際に予約へと進んでいきますよね?
ではユーザーと宿・ホテルにとって、「楽天トラベル」を利用する利点とは何でしょうか?
ユーザーにとっての利点
ユーザーにとっての利点は、なんと言ってもたくさんある宿やホテルの情報を、自分の行きたい場所や条件から横断的に検索できる点でしょう。
宿・ホテルにとっての利点
では宿・ホテルにとって楽天トラベルを利用する利点は何でしょうか。
例えば宿やホテルが楽天トラベルを使わなければ、お客さんは自社のホームページを直接訪問したり、電話番号を知っていないと予約することができません。
つまり宿やホテルにとっての利点は、たくさんのユーザーの目に自分の宿泊先を目にさせることができ、さらに宿泊客を得られるというところにあります。
これを商社と関係する会社に例えてみると
ここで言う楽天トラベルが商社だとすると、宿やホテルは仕入先(メーカーなどが主となる)、ユーザーは顧客です。
「楽天トラベル」というブランドがあることで、多くの仕入先が集まり、多くの顧客が集まり、仕入先はその顧客数の多さというメリットを活かせ、顧客はその仕入先数の多さというメリットを活かせます。
商社にとっては「幅広い仕入先」「幅広い顧客」が命
実際の商社では、顧客が検索するのではなく、商社に商品提案を求めることで、商社は幅広い仕入先の中から顧客が満足する商品を提案するイメージとなります。
そのため、商社にとっては「幅広い仕入先」と「幅広い顧客」を持つことが命となります。
楽天トラベルで再び例えてみますと、そもそもホテル数が少なくてはユーザーはサイトを利用しようと思いませんし、ユーザー数が少なければホテルはサイトに登録しようとは思わなくなります。
楽天トラベルが仲介することにより、仕入先・顧客それぞれに「ボリュームというメリット」を与えていることでこのビジネスは成り立っているのです。
商社はあなたの「人間力」を活かすのにもってこい
そのため、商社で必要になることは、あなたの人間力です。
仕入先をより幅広く関わっていくために。
顧客をより幅広く関わっていくために。
「人間力」というのが求められていきます。
そのため、商社が海外留学経験のある学生には、
単なる語学力を期待するのではなく、海外という環境で揉まれながら、より多くの人間とコミュニケーションを取って問題を乗り越えてきた「人間力」を期待しているのです。
日本人留学生の皆さんは、そこを勘違いしてはいけません。
商社の本質を理解してからが本当の企業研究
今後「商社」という業界を更に深く研究を進めるためにも、まずはこれまでお伝えした「商社という業界の本質」を理解することから始まります。
こちらの記事でも書きましたが、「海外への留学経験があるから『メーカー』か『商社』にしよう」なんていうお花畑な思考をしてはいけません。
その上で、商社には大きく「総合商社」と「専門商社」があります。
また商社には「仲介的な仕事」の他に、「企業に投資する」という大きなもう一つ大きな事業もあります。
これらについてはまた別の記事でお伝えさせていただく予定です。
まずは商社について調べる前に、以上の「本質」を理解するようにしましょう。
留学生必見!「メーカー」に関する業界研究はこちらの記事から
業界研究を何から始めたらいいのかわからない学生はこちらを要チェック!