海外大学生あるあるの「言葉を活かせるから商社かメーカー志望」を斬る
特に外国への留学経験がある学生に多いのが、外国語を活かせそうという理由で「商社」と「メーカー」を選ぶことです。
確かに商社・メーカーに入ると外国語を使う機会が少なくないと思いますが、本当にそれぞれの業界の違いを理解してますでしょうか?
本日は、「海外大学生あるあるを斬る」シリーズ第1弾として、
商社とメーカーの違いを考えて行きたいと思います。
商社とメーカーは扱う「商品」が違う
以前こちらの記事でお伝えしました通り、メーカーというのは「モノを作る」会社です。
一方、商社は企業と企業の間に入り仲介することで利益を得る企業と記載しました。
そのため扱う「商品」が、
- メーカーは自社で開発・生産した商品
- 商社はメーカーが作った商品
となる違いがあります。
扱う「商品」が違うため、それぞれの業界には次のような特徴があります。
- メーカー:工場で生産するなど、独自の技術力を持っている
- 商社:仕入先・販売先に広大なネットワークを持っている
商社とメーカーは「営業方法」が違う
そのため、メーカーの営業マン、商社の営業マンの営業スタイルは結構違います。
社会に出て行くと、商社の営業マンが「これだからメーカーは」、メーカーの営業マンが「これだから商社は」と言っているのをよく耳にします…笑
(もちろん半分冗談、半分本気でしょうが)
それほどに、業界の違いによって営業スタイルが異なるのです。
■まずはメーカーの営業スタイルから見ていきましょう
メーカーは先ほどお伝えしたように、自社で製造したものを販売しています。
そのため、扱える商品に限りがあります。
その一方当然ですが、扱う商品は自社のものですので、商品について詳しくなくてはいけません。
また自社製品のため、比較的生産スケジュールや価格などの融通が効く場合が多いです。
メーカーにとっての顧客は、商社だったり、より下流のメーカーだったり、販売店だったり、会社によって大きく違います。
一般的に、メーカーの営業は「職人気質」があると言われています。
■続いては商社の営業スタイルを見ていきましょう
商社の特徴は幅広い仕入先と販売先。そのため必然的に、関わる企業が多く、当然関わる人間関係も広くなります。
扱える商品に限りは無く、お客様の要望に合わせ全く新しい商材を提案することもあります。
様々な商品を扱うためには、様々なメーカーの人と仲良くなり、製品についてある程度広範囲の知識を持つ必要があります。
とにかく人付き合いが全ての仕事ですので、ある意味「飲むのが仕事」とも言われています。
色んな人と関わって、会社と会社の間に入り調整することができるので、そういう仕事が好きな学生にはもってこいです。
■「商社」「メーカー」の壁はより曖昧になっている
今挙げたのはあくまで一例です。
しかし最近は「商社」と「メーカー」の壁も無くなりつつあります。
例えばメーカーでも独自のルートを活かし直販を行ったり、商社がメーカーと組んでビジネスデザインを描く場合もあります。
また、メーカーと商社というのは非常に近く、親しい関係にあります。
商社が販売先にメーカーを連れて訪問したり、一方メーカーからあの会社に売り込みたいと商社に連絡が行く場合もあります。
違いを知ることこそ業界研究の目的
「学んだ言葉を活かせる」という理由だけで商社とメーカーを見ていたとしても、「商社」と「メーカー」が行っている仕事は大きく違います。
この違いを知らずに就活を進めると、面接官に「この学生は商社とメーカーの違いもわからないのか」とガッカリされ、お祈りされてしまいます。
もちろん、この2つの業界から自分なりの共通軸を探し出し、その軸を元に就活をやることは何も問題はありません。
ただ「外国語が使えるから」という安易な理由で決めず、違いを知り、業界研究を深め、より自分の就活の軸を作っていただきたいと思います。